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IDKオリジナル連載 誰でもわかる!初歩から学ぶネットワーク入門

[第9回]アクセスポイント


著者:技術スタッフ A
ネットワーク機器スペシャリスト。ルーター、スイッチ、ファイアウォール、アクセスポイントなどの各種機器について精通しており、お客様の環境に適した丁寧な機器選定に定評がある。
 

本ページは、弊社技術担当がネットワークの概要から各機器の役割、また製品選定のアドバイスまでご紹介したオリジナルコラムとして執筆したものです。本コラムを読み進めていくことで、ネットワークに関する概要や技術的な情報を把握することができるものとなっております。ご参考までにご覧いただけますと幸いです。
 

※コンテンツの内容に関する免責
石渡電気では、コンテンツの内容について可能な限り、専門家による監修、執筆を行っており、高品質の情報をお客様に提供するよう努力しておりますが、その内容の最新性、正確性、有用性などを保証するものではなく、本コンテンツの内容により、お客様または第三者が被った損害について、一切の責任を負いません。
 

第9回 アクセスポイント

アクセスポイントとは


アクセスポイントは無線電波(Wi-Fi)を送受信する機器です。
有線(LANケーブル)で配線されているネットワークにアクセスポイントを設置することで、そのネットワークを無線接続でも利用可能な状態にしてくれます。
 
<アクセスポイント イメージ図>
 

 
 

アクセスポイントの規格について


アクセスポイントが送信する無線であるWi-Fiですが、規格が存在して世代毎に区別されています。
 

Wi-Fi4

さすがに現在(2024年7月)ではWi-Fi4が利用されている環境はごくわずかしか存在しないのではないかと思われますが、Wi-Fi4からMIMO(Multiple Input Multiple Output)と呼ばれる送信機と受信機の双方で複数のアンテナを使って通信品質を向上させるという新技術が導入されました。
以降はアクセスポイントの仕様に「2×2(送信用アンテナ2本、受信用アンテナ2本)」「4×4(送信用アンテナ4本、受信用アンテナ4本)」などの表記がされるようになりました。
<2×2 イメージ図>

 
   

Wi-Fi5

Wi-Fi5は最大通信速度6.9Gbpsと規定され、最大通信速度600MbpsとされていたWi-Fi4と比べて10倍以上の速度となっています。(あくまでも理論上の最大値であり実際の転送速度を示すものではありません。)
「Wi-Fi5でやっと無線接続で業務が出来るようになった」という声を良く耳にするほど、Wi-Fi5でようやく無線通信が十分な通信性能を持っていると世間に認識されたのではないでしょうか。
Wi-Fi5は通信速度だけではなく、MU-MIMO(Multi-User Multiple Input Multiple Output)と呼ばれる新技術が導入されました。
MU-MIMOはアクセスポイントから最大4台の端末へと同時に無線電波を送信するというもので、同時に複数端末が接続しても安定した通信状況を実現しました。
<MU-MIMO イメージ図>
 

Wi-Fi6

現在(2024年7月)、最も主流となっているのがWi-Fi6です。
2022年頃からWi-Fi5をWi-Fi6へと更改する流れが本格化したように感じられます。
Wi-Fi6の特徴は多数接続技術の革新です。Wi-Fi5にて導入されたMU-MIMOは技術の発展により、最大8台の端末へ同時に無線電波を送信することが可能となり、送信だけではなく端末からの通信を受信する際にも同時受信が可能となりました。
MU-MIMOはアクセスポイントから最大4台の端末へと同時に無線電波を送信するというもので、同時に複数端末が接続しても安定した通信状況を実現しました。
また周波数帯域を細分化し、複数の端末が同時に通信帯域を利用する技術OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)も導入されました。
Wi-Fi5までは「一定の時間において1つの周波数帯を1台の端末が専有して利用する」形式でしたが、Wi-Fi6では「一定の時間における1つの周波数帯を複数の端末で共有して利用する」形式になりました。
 
<OFDM・OFDMA 比較イメージ図>
 

 

Wi-Fi6E

Wi-Fi6Eは海外では2020年にリリースされていましたが、2022年9月初旬に総務省が電波法等を改正したことにより、日本でもWi-Fi6Eが使用可能となりました。
Wi-Fi6Eは「Wi-Fi6を拡張(Extend)したもの」という意味であり、拡張したものは”周波数帯”です。
これまでのWi-Fiでは2.4GHz帯と5GHz帯の周波数帯を使用してきましたが、Wi-Fi6Eでは6 GHz帯の周波数帯が使用可能となりました。
6GHz帯は現段階において、使用者数が少ないことから通信の混雑や干渉が起こりにくいと考えられます。
このことが最大のメリットと言えるでしょう。
<Wi-Fi6E 使用可能周波数帯イメージ>
 

Wi-Fi7

現在(2024年7月)では最新の規格になります。
Wi-Fi6では最大通信速度9.6Gbpsと規定されていたのが、Wi-Fi7では最大通信速度36Gbpsと約3.7倍となっています。(あくまでも理論上の最大値であり…<省略>。またMLO利用時(2.4GHz 4ストリーム+5GHz 8ストリーム+6GHz 8ストリーム)の理論値です。)
Wi-Fi7で導入された新技術にて一番の目玉となっているのはMLO (Multi-Link Operation)という技術です。
MLOは周波数帯2.4GHz/5GHz/6GHzを同時利用する技術です。
いままでは使用する周波数帯は1つの帯域しか利用できなかったのですが、Wi-Fi7からは同時利用が可能となり、このことにより通信に対して外部からの干渉波を受けたとしても、影響のない通信帯域を自動的に利用して通信が安定すると見込まれています。
<MLO 機能イメージ図>
 
 

Wi-Fiの各世代にて導入されてきた技術を簡単に紹介させてもらいましたが、記事を作成しながら技術の進歩が凄いなと素直に感じ入ってしまいました。開発者の方々の努力に脱帽するばかりです。

最新技術によって快適な通信状況を甘受するために、最新のWi-Fi規格に対応したアクセスポイントを設置するのはもちろん必要なのですが、最新のWi-Fi規格に対応した端末でなければ恩恵を受けることができないという点にご注意ください。
2024年9月に販売が開始された「iPhone 16」はWi-Fi7に対応しているということで、一部の方々からは歓喜の声が上がっていましたが、Wi-Fi7に対応している端末は多くはありません。

ご使用の端末に合ったWi-Fi規格のアクセスポイントにて通信環境を整備するか、いづれ端末を更改することを見据えて最新Wi-Fi規格のアクセスポイントを整備するかは十分に検討して判断するようにしてください。



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