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IDKオリジナル連載 監視カメラ深堀り講座

[第1回]監視カメラのレコーダーについて


著者:技術スタッフ 岩崎
映像・音声機器に関する専門知識と豊富な経験を持ち、業界の技術動向などにも精通している。
 

本ページは、弊社技術担当がネットワークの概要から各機器の役割、また製品選定のアドバイスまでご紹介したオリジナルコラムとして執筆したものです。本コラムを読み進めていくことで、ネットワークに関する概要や技術的な情報を把握することができるものとなっております。ご参考までにご覧いただけますと幸いです。
 

※コンテンツの内容に関する免責
石渡電気では、コンテンツの内容について可能な限り、専門家による監修、執筆を行っており、高品質の情報をお客様に提供するよう努力しておりますが、その内容の最新性、正確性、有用性などを保証するものではなく、本コンテンツの内容により、お客様または第三者が被った損害について、一切の責任を負いません。
 

「IDKオリジナル連載 監視カメラ深堀り講座」コラム一覧



 
①監視カメラシステムとは
 

監視カメラを設置し、その映像をレコーダーによって記録することで成立するセキュリティシステムです。監視カメラは設置場所によって様々な形状が存在しますが、レコーダーはHDD容量(録画期間)のみしか注目されないこともあり、いまひとつ重要性が分かりにくい機器となっています。 最初に述べておきますと、レコーダーは映像を溜めておく機器です。しかしそれを大前提とした上で、セキュリティシステム上の運用を考慮しなければなりません。
本講座では、レコーダーに主眼を置いた監視カメラシステムを各ポイントごとに説明をしておきます。
 

②ネットワークカメラのレコーダーとは
→監視カメラが最後に行くゴール地点&録画する機器である

 

監視カメラはどのように複雑なネットワーク配線であっても、決して断線することなくきちんとレコーダーに到達できなければなりません。


 

レコーダーに到達できなければ、録画もできない

既存ネットワークに監視カメラ&レコーダーを入れる場合には注意が必要です。
今まで問題のなかったネットワーク配線上に”監視カメラの映像”が常に流れるため、現場状況的に、また予算内であれば新設で監視カメラのための配線をすることが望ましいです。
 

 

既存ネットワーク上に監視カメラ&レコーダーを入れた際の問題点は次回以降のコラムにてご説明をいたしますが、新規に監視カメラ専用のネットワークを構築しないと通信速度の低下が発生する可能性があります。また、監視カメラ専用のネットワーク用意することで「監視カメラが停止」してしまった場合に、障害の切り分けが「監視カメラ専用のネットワーク」のみを考えれば良くなるため、対応が早くなります。
監視カメラの映像がレコーダーに届かない場合の一次対応方法についても次回以降のコラムにてご説明をする予定です。


 

③ゴール(録画)地点が複数あっても良いか?
→基本的には不可

 

監視カメラ複数台に対しレコーダーは1台

監視カメラシステムは複数台の監視カメラに対し、レコーダーは1台で めて録画をする構造が基本形です。しかし、メーカーによっては複数のレコーダーを1つに める仕組みが存在します。例えば、監視カメラが100台に対し、レコーダーが3台存在するケースを考えます。この時、レコーダー3台を1つ機器のようにシステムで め上げ、100台の監視カメラを統合する仕組みです。しかし、この時であってもカメラは特定のレコーダーにしか録画映像を送りません。1つの監視カメラが3台のレコーダーに同時に映像を送ることは、ネットワークが非常に重くなるため行いません。
よって、図のように監視カメラ1台につきレコーダーは1台(ゴールは1つ)という構造になります。
レコーダーを複数 める仕組みに関してはメーカーによって異なりますが、多くの場合はPC専用ソフトウェア上で統合をします。

 

 

④録画期間とは
→監視カメラシステムは録画が重要
 

録画時間に影響を与える主な要素を知ることで、レコーダーの性能を知りことが出来る、つまり録画に必要なHDD数が分かります。

 

・録画期間に影響を与える主な要素 第1位:監視カメラの台数 
 

 
録画期間は監視カメラ台数の少ないほど有利

監視カメラの台数が多いと、それだけレコーダーの性能が重要になります。例えば、監視カメラ4台までしか収容できないレコーダーと16台収容モデルでは、レコーダーのCOUなどが異なっています。また近年では4台収容モデルと、AI監視カメラ4台収容モデルなど、「接続をする監視カメラの種類」によって、入れるべきレコーダーの種類が異なるケースもあります。レコーダーの基本性能を知るためには、各種の専門用語を知る必要性がありますので、次回以降のコラムにてご紹介いたします。
 
監視カメラ業者様が監視カメラの設置、設定で「課題」としているポイント上位は、
・画角(見える範囲が思っていたのと違う)
・ネットワーク不備(ネットワーク不通によって画像が見えない)
       ・録画期間で問題
と考えられます。
※この録画期間は計算式が存在するので、各メーカーが発信している情報を参考に設定を行う事が重要です。
 

 

録画期間に影響を与える主な要素 第2位:レコーダーのHDD搭載量 


レコーダーのHDD搭載量について
●メーカーやレコーダーのモデルによって初期装備されているHDD数が異なる。
●比較的に多いのはスタンダードモデル2TB搭載。
●ほとんどのメーカーはHDD搭載限界量が決まっている。
●20TB前後が限界な場合が多い。
●HDDが後に増設できないモデルも多い。

レコーダーに使用されているHDDは高耐久であることが多く、これは録画データが簡単に消失しないための配慮です。
監視カメラメーカーによっては、後付けでHDDを増設できるモデルも存在はしますが、この仕様が可能なのは最上位モデルなどに限定されるため、基本的には「最初に購入したレコーダーの性能が全て」になります。
20TB以上のHDDが必要になる場合は、監視カメラ専用サーバーになるため、規模も大きくなります。
現場の状況によって左右されますが、レコーダーで対応できる現実的な最大監視カメラの数は30台前後までであることが多く、60台付近になってくると専用サーバーの領域に入ってくると思います。
ただし、これもメーカーによってはレコーダー1台で64台まで対応可能なモデルも存在し、ご相談内容によっては可能です。
前のセクションでも触れましたが、複数のレコーダーをPCソフトウェアで統合管理する方向で、疑似的にHDD数を増やすことも可能です。

 
文中に登場をする最上位モデル「64台まで対応可能なレコーダー」をラインナップしているメーカーは少ないです。この規模の領域まで必要になってくるご相談の場合、弊社ではパナソニック社製品をおすすめしています。
 

録画期間に影響を与える主な要素 第3位:監視カメラの設定 
 

適切な録画設定を入れ込む

①画質
 →画質がきれいであればあるほど録画時間は短くなる。

②フレームレート
 →録画の”滑らかさ”(フレームレート数が多い)を重視すると録画時間は短くなる。


(ご参考:フレームレート設定の考え方)


■ケース1:ATMに設置された監視カメラ
「ATMの前で1秒以上は立ち止まるだろう」
つまり、フレームレートは1でも可能か
※フレームレート1:1秒で1コマ映す能力




 


■ケース2:出入口に設置された監視カメラ
「人の出入りが多いかもしれない」
つまり、フレームレートは10~30は必要か
※フレームレート30:1秒で30コマ映す能力




 

 

・人の顔判断はフルHD画質であれば殆どOK(ただし人物とカメラの距離による)
・フレームレートの設定は経験則(環境条件、お客様のご要望を踏まえる)

※ATMの例は、業界関係者の中でよくする極端な例えです。
※あくまでも「考え方のご参考」としてご紹介しています。
※もっとも重要視するべきは、お客様のご要望や通信環境、メーカー推奨設定を遵守した設定をする事です。

 

 

 

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