LANケーブルの現行規格を解説!
LANケーブルスペック早見表
[改定 2024.02.28]
令和2年度の「GIGAスクール構想」で高まった需要・・・
10Gbpsで接続可能なCat6A以上のケーブル他、LANケーブルの現行規格を解説!
ここでは、弊社石渡電気が情報通信ネットワークの専門商社として、販売店様・工事店様向けに、ネットワーク材料をはじめ「GIGAスクール構想特需」の本命となったLANケーブル規格のCat6Aや、LANケーブルの現行規格、またを詳しく紹介いたします。
本ページは、令和2年度に、情報通信ネットワーク業界として大きな目玉の年となりました「GIGAスクール構想」に関する特集ページのリライト版です。引き続き、LAN、ネットワーク材料の具体的な商材選定の参考となればと思い「保存版」として掲載を継続いたします。
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LANケーブル、ハブ、スイッチ、ルータ、無線LANアクセスポイント、パソコン、タブレット端末、有線・無線LANテスター、無線LANコントローラ、情報コンセントなど、高速通信を実現するために必要なネットワーク材料、機器を、エンドユーザー様の規模・環境に合わせたカスタマイズでご提供いたします。
弊社と口座をお持ちのお客様でしたら、ご希望があれば、弊社東京本社ショールームにてデモの実施、また技術スタッフ、メーカーによるご提案のフォロー、機器設定時のバックアップも対応いたします。お客様には、より安心してエンドユーザー様へのセールス活動に集中できる体制を整えております。
LANケーブル(ネットワーク材料) |
LANケーブル6つの規格を確認「GIGAスクール構想」本命はCat6Aケーブルだった!
文部科学省「GIGAスクール構想の実現 標準仕様書」では、「10Gbpsで接続可能なCat6A以上のケーブル利用を指定する」とあり、選択肢は、10Gbpsを実現する「Cat6A」~「Cat8」となります。
Cat7(A)規格は、コネクタの形状が最も普及している「RJ45スタイル」ではなく、「Tera型」「 GG45型」となります。そのため、新たな工具が必要となったりするなど、工事業者様には手間がかかるため、避けられがちな規格です。
また「Cat8」規格は、伝送速度は40Gbps、またコネクタ形状も「RJ45スタイル」と申し分のないスペックですが、制限長が30mのため、「学校」という規模を考慮すると選択肢から外れることになります。
RJ45スタイル
Tera型
LANケーブル各規格のスペック早見表
UTPケーブルかSTPケーブルか
エイリアンクロストークや環境ノイズを考慮すると、STP(シールドケーブル)がおすすめですが…
10GBASE-T(Cat6A)ケーブルの環境ノイズの影響
1000BASE-T(Cat5e)比較(クリックで拡大)
(出典元:日本製線株式会社)
校舎のような規模の建物内でネットワークを構築する場合、LANケーブルも単体ではなく、複数並列で敷設する場合が多くみられます。
この時、隣接するLANケーブル同士でノイズの影響を与え合うこと(エイリアンクロストーク)があります。また、ノイズが発生するのはLANケーブルだけでなく、エアコン、照明器具、無停電電源装置(UPS)などのインバータ機器、モーターなどの動力、AM派、FM派、携帯電話などの電波と、環境(外来)ノイズを挙げたらキリがありません。
ノイズの影響を受けると、電子機器の誤動作や破壊を招くことがありますので、安定した通信を提供するためには、通常STP(シールドケーブル)を活用します。
STP(シールドケーブル)の課題
STPケーブルはアース処理が必要となり
工事業者には非効率として懸念されることも
(クリックで拡大)
Cat6Aケーブルは、UTP・STPいずれの仕様も用意されています。一度敷設したら長期間利用されること、敷設後、別の機器の設置などによる新たな環境ノイズの可能性なども考慮すると、通常はSTPケーブルの使用をオススメしていますが、STPケーブルを敷設する場合は、アース処理が必要となります。
アース処理は、図のようにパッチパネルやモジュラージャックから落としますが、その敷設エリアにアースを落とせる環境があるかを確認することや、アース処理自体も手間となり、工事業者様にとってSTPケーブルの使用は、材料費だけでなく、工事費・人件費にも影響があるため、懸念されることもある規格です。
耐エイリアンクロストーク性能、アース処理が 不要 なCat6A UTPケーブル
そこでオススメしているのが、Cat6A UTPケーブルの外皮の内側に、エイリアンクロストークの影響を飛躍的に抑えた特殊なテープを巻いたUTPケーブルです。Cat6A(UTPケーブル)は、500MHzの高周波を使用して10Gbpsの高速処理を行うことから、現場でノイズの影響を受けていないかエイリアンクロストーク測定が必須ですが、このAXテープを施したCat6A UTPケーブルは、十分な耐エイリアンクロストーク性能が得られるほか、STPケーブル敷設で必須のアース処理が不要となります。
※UTPケーブルは環境ノイズについては影響を受けてしまうので、これまで(Cat.5e/Cat.6)の配線よりも電力線との離隔を十分に取る必要があります。
STPケーブルの課題であった施工性をクリアし、従来のUTPケーブルと同等の取扱いが可能なCat6Aケーブル。
このテクノロジーは、PANDUIT(パンドウイット)が2004年に開発しました。当時は外径8.1mmと取り回しに若干難がありましたが、最新版では外径6.6mmと、より実用的なものとなっています。
※PANDUIT(パンドウイット)では、この「AXテクノロジー技術ライセンス」を、認定パートナーに供与しています。認定パートナーは、通信興業、冨士電線で、AXテクノロジーが施されたCat6A UTPケーブル・梱包には、オフィシャルロゴが印字されています。
※石渡電気では、AXテクノロジーライセンス技術を用いたすべてのCat6A UTPケーブルのご提供が可能です。調達先の一社としてお気軽にお問合せください。
Cat6A規格について
Cat6A高速10ギガビット・イーサネットである10GBASE-Tは2006年IEEE802.3anで規格化されました。
2009年ANSI/TIA-568-Cでオーグメンテッドカテゴリー6として定義されCAT5eの5倍、CAT6の2倍の周波数である「500MHz」という広帯域を使用することで安定した高速データ通信が可能になりました。
Cat6Aは、Cat5e・Cat6と同様、最も普及されているコネクタ形状「RJ45」を使用しています。既設のLANケーブルとの互換性があり、チャネル長100mまでのイーサネットとして最速の規格であることが、「GIGAスクール構想」を実現する校内配線LANの大本命と言われる理由です。
Cat7(A)規格について
Cat7(A)規格は、国際規格 ISO/IEC 11801 2002 において標準化されていますが、国内ではほとんど市場がありません。
国内の有力メーカーでもあまり製品化されていないカテゴリーとなります。
コネクタも従来の「RJ45」との互換性はなく「Tera型」もしくは「GG45型」となり、既存のCat5e・Cat6ケーブルとは別の工具を使わなければいけないことも、Cat7(A)規格が普及していない理由です。
Cat8規格について
Cat8の規格は、2016年6月に ANSI/TIA 568 C.2 1で規格化されました。
シールド付ツイストペアケーブルを用いて、2000MHzまでの電気特性を規定しています。
標準導体サイズのケーブルではパーマネントリンクの最大長は24m、チャネルの最大長は30mです。
40Gbpsもの伝送速度があり、Cat5e・Cat6・Cat6Aケーブルと同様、RJ45コネクタが使えるのですが、「チャネルの最大長が30m」という点がネックです。そもそもCat8規格は、データセンターを念頭に置いた規格ですので、「GIGAスクール構想」の大規模な校内配線を考慮すると、選択肢から外れることになります。
無線アクセスポイント・ルータ・スイッチ
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無線アクセスポイント(Wi-Fi)・ルータ・スイッチについて
文部科学省 GIGAスクール構想の実現標準仕様書より(クリックで拡大)
「GIGAスクール構想」では、一クラス40人全員が持つ端末が同時に、遅延がなく、安定した通信で授業を行える無線LAN(Wi-Fi)環境が必要になる、と標準仕様書に記載がありました。また、文部科学省では「安価な環境整備に向けた調達改革」として、ケーブルはCat6A以上を標準仕様としていますが、「ハブやルータ、スイッチ類は、将来の市場展開に応じた容易な更新を可能とすることを念頭に、1Gbpsの普及モデルを標準仕様とする」としています。機器類は1Gbps対応とすることで、機器コストを抑えつつ、将来の10Gbps化に備える方向で調整されました。
学習活動 | 一台あたり 使用帯域目安 |
1教室(40名) あたりの必要帯域 |
1校あたり (20教室同時利用) |
遠隔授業の実施 (テレビ会議) |
2.0Mbps | 80Mbps | 1.6Gbps |
NHK For School | 0.7Mbps | 28Mbps | 560Mbps |
YouTube (HD720p画質) |
2.5Mbps | 100Mbps | 2.0Gbps |
各学習活動に必要となる帯域と、同時に使用する台数から、教室ごと、フロアごと、学校ごとで必要な帯域を算出。
上表は、「GIGAスクール構想の実現標準仕様書」に掲載されている学習活動ごとの使用帯域の目安に1校あたりの必要な帯域を追加したものです。
※例えば、1つの教室で40人がそれぞれテレビ会議を利用すると、2.0Mbps × 40台 =80Mbpsの帯域が必要となります。
無線アクセスポイントの機種により、同時接続数が異なりますのでご注意ください。複数台無線アクセスポイントの設置が必要な場合は、電波干渉による障害がないか調査し、設置場所を調整する必要があります。
参考までに、バッファローの無線アクセスポイント「WAPM-2133TR」と「WAPM-1750D」を同時に40端末へのファイル転送を行った時の速度を比較した動画をご紹介します。
この2機種は、さほど金額に大きな差はありませんが、圧倒的なスピードで「WAPM-2133TR」のファイル転送が完了します。
これは、WAPM-2133TRが、3種類の周波数帯域(2.4GHz、5GHz-1、5GHz-2)を通信に使える「トライバンド仕様」になっていること、また、通信する機器への負荷を自動的に、分散・混雑を抑制し最適化する「バンドステアリング機能」が備わっているためです。
商品仕様に記載されている通信速度のみで機器を選定するのではなく、利用シーンを考慮した選定が必要になります。
機器の「同時接続可能数」はもちろんですが、必要以上な高スペック品を選んでしまい、入札・コンペで不利になってしまうことのないよう、機器選定のご相談も石渡電気におまかせください。多数の取扱いメーカーから適した商品をご提案いたします。
スイッチングハブについて
学校にいるすべての先生がネットワークの不具合に対処できるというのは現実的ではありません。無線LAN接続に急なフリーズが発生し、授業が停滞してしまう…。
そのようなことがないように、PoE接続機器の停止(フリーズ)を検知してスイッチングハブのPoE給電を自動でOFF/ONする機能を搭載する機器をオススメします。自動OFF/ONをすることで、アクセスポイントを自動で再起動し、「フリーズから復旧」を人のメンテナンスを介さず行うことができます。
ZEQUO 4500DL(PN36241C)
また、駆動音が授業の妨げになる可能性も考えられますので、ファンレスタイプの機器をオススメします。ファンレスタイプは騒音の心配がないだけでなく、ホコリなどの吸い込みもないため、故障リスクも抑制できるので工事店様にもオススメした機種です。
学校は利用箇所の環境や時期によっても気温差が大きい施設です。その機器が高温に耐えうる設計であるかも選定には重要となりました。
高速通信&無線LANを活用する「GIGAスクール」は納品施工後、毎日続きます。メンテナンスにかかる業務負担や、先生、子供たちがストレスを感じることのない安定した運用が行える事が最も重要ですが、同時に工事店様にとりましても、故障頻度の少ない手離れの良い商品選びが人件費抑制にもつながりました。今後の新たな需要時の機器選定のポイントとして一部をご紹介しましたが、是非ご参考になさってください。
オススメ商品一覧
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Cat6Aケーブル他、ネットワーク材料関連取扱メーカー
商品 | 商品名 | 型番 | 備考 |
Cat6Aケーブル | TX6A(TM) 10Gig カテゴリ6A UTPケーブル(305m) (AXテープテクノロジー) |
PUR6AV04BU-G | |
Cat6A用モジュラープラグ | CAT6A モジュラープラグ<TX6A> | SP6X88-C | |
CAT6A モジュラープラグ細径用<TX6A> | SP6X88SD-C | ||
カテゴリ6A/6/5e対応RJ45簡単成端モジュラープラグ | FP6X88MTG | ||
Cat6A用ローゼット | 1ポートCat6Aローゼットキット シャッター付 | JOQ1H6A00 | |
2ポートCat6Aローゼットキット シャッター付 | JOQ2H6A00 | ||
3ポートCat6Aローゼットキット シャッター付 | JOQ3BH6A00 | ||
4ポートCat6Aローゼットキット シャッター付 | JOQ4H6A00 | ||
6ポートCat6Aローゼットキット シャッター付 | JOQ6H6A00 |
通信興業 LANケーブル(CAT6A対応 TSUNET-10GEシリーズはリンク先2枠目にあります)(外部サイト)
冨士電線 LANケーブル(メタル)一覧(Cat6Aケーブルはリンク先上部にあります)(外部サイト)
商品 | 商品名 | 型番 | 備考 |
Cat6Aシールドタイプケーブル | ScTPケーブル CAT6A シールドタイプ | 4P NSGDT6-10G-S | |
Cat6Aケーブル | Cat.6A(UTP)ケーブル | 4P NSGDT6-10G-WARP |
無線LANアクセスポイント(Wi-Fi)、スイッチ取扱メーカー
商品 | 商品名 | 型番 | 備考 |
法人向け無線LAN アクセスポイント |
11ac/n/a/g/b 866+866+400Mbps 同時接続 インテリジェントモデル エアステーション プロ | WAPM-2133TR | |
法人向け 管理者機能搭載 無線アクセスポイント |
エアステーションプロ | WAPM-1266R | |
PoE/フロアスイッチ | レイヤー2Giga PoEスマートスイッチ | BS-GS20Pシリーズ |
商品 | 商品名 | 型番 | 備考 |
無線AP(コントローラー内蔵) |
Aruba AP-515 (JP)UnifiedAP |
Q9H61A |
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基幹スイッチ | Aruba 2930F 24G 4SFP Switch |
JL259A#ACF |
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フロアスイッチ(PoE対応) |
Aruba 2530 24G PoE+ Switch |
J9773A#ACF |
aruba(アルバ) アクセスポイント一覧(外部サイト)
商品 | 商品名 | 型番 | 備考 |
レイヤ3スイッチングハブ | ZEQUO 6600RE | PN36241E (ZEQUOシリーズ) |
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PoE給電スイッチングハブ | XG-M16TPoE+ | PN83169 (XGシリーズ) |
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レイヤ2スイッチングハブ | Switch-M24eG 24P+SFP2スロット L2 ギガSW | PN28240K | |
PoE延長器 | GA-PT1TPoE | PN24015 | (100m以上の距離延長用) |
商品 | 商品名 | 型番 | 備考 |
基幹スイッチ | スタンダードL3スイッチ | SWX3200-28GT | |
SWX3200-52GT | |||
フロアスイッチ | インテリジェントL2 PoEスイッチ | SWX2310P-10G | |
SWX2310P-18G | |||
SWX2310P-28GT | |||
無線LANアクセスポイント | 無線LANアクセスポイント | WLX313 | |
WLX402 |
有線・無線LANテスター、チェッカー、オプション取扱メーカー
商品 | 商品名 | 型番 | 備考 |
テストコード | RJ45プラグテストコード | FP6X88TC |
商品 | 商品名 | 型番 | 備考 |
無線テスター | AIRCHECK G2 無線テスター | AIRCHECK G2 | |
有線&無線LANテスター | ETHERSCOPE(TM) NXG ポータブル・ネットワークエキスパート | EXG-200 |
netAlly 無線・有線LAN 環境調査測定ツール一覧(外部サイト)
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