IDKオリジナル連載 誰でもわかる!初歩から学ぶネットワーク入門
[第14回]CUI操作③
[2025.07.24]
著者:技術スタッフ A
ネットワーク機器スペシャリスト。ルーター、スイッチ、ファイアウォール、アクセスポイントなどの各種機器について精通しており、お客様の環境に適した丁寧な機器選定に定評がある。

3回に渡って「CUI操作」の説明をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
今回、説明するために使用させて頂いたヤマハの”SWX2210-8G”ですが、この機種にはシリアルポートが存在しないため、LANケーブルでの接続でIP変更を実施する形式の記事内容となっております。
シリアルポートが搭載されているネットワーク機器においては、IP変更作業を伴う設定作業時はシリアル接続で実施することをオススメします。シリアル接続であればIPアドレス変更時にTeraTerm接続が切れてしまうこともありません。
最近のノートPCにはシリアルポートが搭載されていないモデルが主流となっています。そのため「USBシリアル変換ケーブル」はエンジニアとして持っておきたいアイテムの1つです。
USBシリアル変換ケーブル (バッファロー BSUSRC0710BS)
※コンテンツの内容に関する免責
石渡電気では、コンテンツの内容について可能な限り、専門家による監修、執筆を行っており、高品質の情報をお客様に提供するよう努力しておりますが、その内容の最新性、正確性、有用性などを保証するものではなく、本コンテンツの内容により、お客様または第三者が被った損害について、一切の責任を負いません。
本ページは、弊社技術担当がネットワークの概要から各機器の役割、また製品選定のアドバイスまでご紹介したオリジナルコラムとして執筆したものです。本コラムを読み進めていくことで、ネットワークに関する概要や技術的な情報を把握することができるものとなっております。ご参考までにご覧いただけますと幸いです。
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「誰でもわかる!初歩から学ぶネットワーク入門」コラム一覧
[第14回] CUI操作③
第14回 CUI操作③
今回で「CUI操作」の最終回となります。
今回の記事を読む前に [第12回]CUI操作①、[第13回]CUI操作② をご覧いただければ幸いです。
第14回は「show run」コマンドにて稼働中コンフィグの内容を確認した場面からとなります。
稼働中コンフィグの内容確認
グローバルコンフィグレーションモードへの遷移
「SWX2210#」プロンプトにて「conf t」と入力して「Enterキー」を押下します。
次の行に「Enter configuration commands, ~」と表示され、さらに次の行にて「SWX2210(config)#」プロンプトに変わったことを確認します。
これにより「グローバルコンフィグレーションモード」に遷移したことになります。
※”conf t” コマンド:”configure terminal” コマンドの省略形
グローバルコンフィグレーションモードへの遷移
個別コンフィグレーションモードへの遷移
「SWX2210(config)#」プロンプトにて「interface vlan1」と入力して「Enterキー」を押下します。
次の行にて「SWX2210(config-if)#」プロンプトに変わったことを確認します。
これにより「個別コンフィグレーションモード」に遷移したことになります。
※事前にコンフィグを確認し、” interface vlan1”の部分がIPアドレス「192.168.100.240」を指定している個別設定箇所であることを確認しています。(下図の青色囲み部分)
個別コンフィグレーションモードへの遷移
IPアドレス変更
「SWX2210(config-if)#」プロンプトにて「ip address 192.168.100.100/24」と入力して「Enterキー」を押下します。
次の行にて「Do you really want to change IP address? [y/N]:」と返ってきたことを確認し、「yキー」を押下します。
”SWX2210-8G”のIPアドレスが「192.168.100.240」から「192.168.100.100」に変わるにあたり、「192.168.100.240」に繋いでいるTeraTermの接続が切断されます。
再度TeraTermを起動し、「192.168.100.100」に繋ぎ直す必要があります。
稼働中コンフィグの内容確認①
TeraTermで接続
作業PCにてTeraTermを起動し、「TeraTerm:新しい接続」ポップアップウィンドウに接続先IPアドレス、使用する通信プロトコルを設定して“OK”ボタンをクリックします。
※”SWX2210-8G”のIPアドレスが「192.168.100.100」に変更されているので、接続先IPアドレスを「192.168.100.100」に指定します。
TeraTerm 接続画面
ログイン画面
“OK”ボタンをクリック後、TeraTerm画面に「Username:」と表示されます。
このユーザー入力画面が表示される段階でIPアドレス変更が正常に実施されたことの確認になります。
ユーザー入力画面
稼働中コンフィグの内容確認
ユーザー名、パスワードを入力してログインを実施後、「特権EXECモード」に遷移して、「show run」コマンドを実行します。
稼働中コンフィグの内容確認①
コンフィグ内のIPアドレス記述部分が「192.168.100.100」と表示されていることを確認します。
稼働中コンフィグの内容確認②
IPアドレスの変更作業自体は以上で完了と言えるのですが、前回の<おまけ>で記載した通り、このままでは”SWX2210-8G”を再起動した際に「192.168.100.240」に戻ってしまいます。
そのため、「startup-config」に現状の「running-config」を書き込む必要があります。
起動時読み込みコンフィグの内容確認
「SWX2210#」プロンプトであることを確認し、「show start」コマンドを実行します。
※「show start」コマンドは「show startup-config」コマンドの省略形となります。
起動時読み込みコンフィグの内容確認①
コンフィグ内に初期IPアドレスの「192.168.100.240」が表示されていることを確認します。
起動時読み込みコンフィグの内容確認②
メモリー情報の書き込み
「SWX2210#」プロンプトであることを確認し、「write」コマンドを実行します。
メモリー情報の書き込み
次の2行にて「Building configuration...」「[OK]」と表示されることを確認します。
起動時読み込みコンフィグ 変更確認
「write」コマンドの実行後、再度「show start」コマンドを実行します。
そして実行後、コンフィグ内のIPアドレスの記述が「192.168.100.100」に変更されていることを確認します。
起動時読み込みコンフィグの変更確認
以上で、「CUI操作」についての説明は終了となります。