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IDKオリジナル連載 分かる!ネットワークカメラ基礎講座

[第2回]ネットワークカメラの種類・形状とその特長

「ネットワークカメラ」とそのシステムや周辺機器等の技術、各機器の種類や取り扱いについて、分かりやすく解説する石渡電気オリジナルコラムです。
このコラムの連載では、ネットワークカメラの基本構造から画質技術、種類、レコーダーの基本構造や種類、システム構築や導入事例などを分かりやすく解説・紹介することで、ネットワークカメラシステム全体の基本知識が身に付けられるコンテンツです。
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

ネットワークカメラの種類

 ネットワークカメラは、従来のアナログカメラに較べて拡張性や利便性が高く、ハイビジョンを超える超高画質も実現されているので、より使用用途が広げられています。
 防犯だけでなく、製造品質や工程の管理、人数カウントや動線確認によるマーケティング分析などの新しい用途にも使われています。
 現場の状況や特性、撮影対象に合わせて様々なタイプのネットワークカメラが商品化されています。

屋内用途と屋外用途に分類

屋内用途

屋内用途では、様々な設置場所やインテリアにフィットする、スリムなデザインの筐体が使われることが多いです。

屋外用途

屋外用途では防じん、防水性能を確保するために、堅牢で密閉性の高い筐体が使われます。防じん・防水性能は国際規格に準拠した”IPxx”(最初のxは防じん等級1~6、次のxは防水等級1~7)で表示されます。

ネットワークカメラの形状

ネットワークカメラの形状は、大きくはBOX型ドーム型PTZ型の3種類に分かれます。

BOX型

<屋内用途>
<屋外用途>

BOX型はその形状による威圧感で監視効果を高めたい場合や、望遠ズームや赤外線対応などの特殊レンズを使って撮影する場合に適しています。

ドーム型

<屋内用途>
<屋外用途>

ドーム型はスリムデザインで様々なインテリアにも調和し、威圧感を与えずに広い範囲を撮影したい場合などに適しています。破壊を防ぐ強化ドーム(バンダルドーム)で耐衝撃性能を高めたモデルもあります。

PTZ型

<屋内用途>
<屋外用途>

PTZ型は、レンズのパン(左右移動)、チルト(上下移動)、ズーム(広角-望遠)を遠隔操作や自動操作が出来るカメラで、リアルタイムでの広範囲監視や観光地や景勝地のライブカメラ用途などに適しています。

その他

他にも、通常カメラと赤外線カメラを同時に搭載可能な二眼式カメラや、壁や棚などに埋め込み可能な小型レンズ別体型カメラ、防爆規格対応カメラなどがあります。

塩害や強風、極端な高温や低温、豪雨などの特殊環境下では、カメラの保護や安定性確保のために、特殊な筐体を持つカメラや、水冷対応やヒーター内蔵の専用ハウジングがカメラに使われる場合があります。

ネットワークカメラ 専門用語図解&ポイント!

防じん・防水性能

 IEC(国際電気標準会議)やJIS(日本工業規格)では、機器の保護構造について防じん・防水性を等級に分類し、そのテスト方法を規程しています。
 これに基づくIP表示は、世界各国で使用されています。屋外用のネットワークカメラではIP65以上の防じん・防水性能を持つモデルが多くなっています。

等級
第1記号
人体・固体異物に対する保護
保護の程度 テスト方法
X
なし
テスト無し
1

手の接近からの保護

直径50mm 以上の固形異物が内部に浸入しない
2

指の接近からの保護

直径12mm 以上の固形異物が内部に浸入しない

3

工具の先端などからの保護

直径2.5mm 以上の固形異物が内部に浸入しない

4

ワイヤーなどからの保護

直径1.0mm 以上の固形異物が内部に浸入しない

5

粉じんからの保護

正常動作を阻害するような粉じんの浸入がない

6

完全な防じん構造

粉じんの浸入から完全に保護されている

等級
第1記号
水の浸入に対する保護
保護の程度 テスト方法
X
なし
テスト無し
1

垂直に落下する水滴からの保護

200mmの高さより3~5mm/分の水滴、10分間
2

垂直より左右15°以内の水滴からの保護

200mmの高さより15°の範囲、3~5mm/分の水滴、10分間

3

垂直より右60°以内の降雨からの保護

200mmの高さより60°の範囲、10L/分の放水、10分間

4

全方向の飛まつ水からの保護

300~500mmの高さより全方向に10L/分の放水、10分間

5

全方向の噴流水からの保護

3mの距離から全方向に12.5L/分・30kPaの噴流水、3分間

6

強力な直接噴流水からの保護

3mの距離から全方向に100L/ 分・100kPaの噴流水、3分間

7

一定の条件で水没しても使用可能

水面下1m、30分間

8

水面下での使用が可能

メーカーと機器使用者間の協議による

ネットワークカメラ 第2回専門用語解説まとめ

  • 耐衝撃性能:
    耐衝撃性能は、国際電気標準会議 (IEC) 規格に準拠した衝撃耐性試験で確認されます。
     耐衝撃性能はIK等級といわれるコードで表示されます。レンズや回路などの内容物を保護するために、ネットワークカメラの筐体が破壊されずに耐えうる外部衝撃の大きさを表示します。
     ネットワークカメラの耐衝撃対応モデルではIK09以上の性能を持つモデルが多くなっています。
  • 防爆規格:
    石油化学プラントなど爆発性や可燃性のガスや蒸気が存在する場所では、電気製品から発する電気火花や高温度などが点火源になり、爆発や火災が起きる可能性が大きくなります。 このような「危険場所」では、使用する電気機器も爆発を防止する構造を持つ「防爆機器」を使用する必要があります。  防爆規格は国際規格IECに準拠した記号で表示されます。

    防じん・防水耐久試験、衝撃耐久試験の例(キヤノン製ネットワークカメラの例)

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