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IDKオリジナル連載 SCS評価制度 連載記事|第9回

サプライチェーン・セキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)
経産省もSCS特設サイトを開設。「セキュ活」という言葉が示す、制度普及への本気度

 
【速報】2026年5月15日、経済産業省がSCS評価制度の特設サイトを公開しました。
4月21日のIPA公式サイト公開に続く動きで、制度情報の「二つの公式窓口」がついに揃いました。
同日、実証事業のスケジュールも更新。今回は経産省サイトの内容と「セキュ活」の意味を中心に解説します。


 

1.経産省特設サイトとIPAサイト──二つの窓口の役割分担



3月の制度構築方針公表から2ヶ月、4月のIPA公式サイト公開から1ヶ月を経て、今度は経産省が独自の特設サイトを公開しました。これにより、販売店や中小企業がSCS評価制度の情報を入手する「公式の場」がIPA・経産省の二軸で整いました。

両サイトはそれぞれ異なる役割を持ちます。混同しないよう整理しておきましょう。

 

  IPA 公式サイト(4/21公開) 経産省 特設サイト(5/15公開)
主な役割 制度の実務窓口 制度の政策的背景・全体像の解説
主なコンテンツ 評価スキーム・専門家要件・スケジュール・FAQ 制度の目的・課題・支援策・関連資料一覧
問い合わせ先 isec-scs@ipa.go.jp bzl-cyber-madoguchi@meti.go.jp
URL ipa.go.jp/security/scs/ meti.go.jp/policy/netsecurity/scs.html
更新頻度 実務情報(ガイド・申請等)を随時更新 政策・制度の方針を随時更新

顧客(中小企業)に「まず制度の全体像を理解してほしい」という場合は経産省サイトを、「具体的な取得手続きを確認してほしい」という場合はIPAサイトを案内するのが効果的です。



 

2.経産省サイトが語る「なぜSCS制度が必要か」



経産省特設サイトでは、制度の必要性が以下のような背景から説明されています。顧客に制度の重要性を伝える際の「話の骨格」として使えます。

①発注元企業(大企業)側の課題
大企業がサプライチェーンのセキュリティを強化しようとする際、取引先企業のセキュリティ対策状況を外部から判断することが難しいという問題があります。各社が独自のチェックリストや調査票を委託先に送りつける結果、対応が属人化し、信頼性も担保されません。

②委託先企業(中小企業)側の課題
中小企業の立場からすると、複数の取引先それぞれから異なるセキュリティ要件を求められ、対応コストが膨大になります。「A社からはこの書式で、B社からはあの基準で」という状況が常態化しており、中小企業にとって過度な負担となっていました。

③SCS制度が解決する構造的問題
SCS評価制度はこの構造的問題を解決するために設計されています。「共通の★基準で対策状況を可視化する」ことで、発注元は個別チェックが不要になり、委託先は一度の評価で複数の取引先に対応できます。

 
【経産省サイトの核心メッセージ】
サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を共通の基準で評価・可視化することで、委託元企業・委託先企業双方の負担を軽減しつつ、サプライチェーン全体のセキュリティ水準の底上げを図る。

顧客が「うちみたいな小さな会社には関係ない」と思っている場合、「取引先の大企業が一番困っているのは委託先のセキュリティが見えないことで、SCS★3を取ることでその問題を解決できる」という説明が効果的です。

 
 

3.「セキュ活」というキーワードが示すもの



今回の経産省サイト・実証事業ページで公式に初登場した言葉が「セキュ活」です。この言葉の誕生には、政策的な意図があります。

①セキュ活とは何か
経産省はSCS評価制度のセキュリティ対策に取り組む活動を「セキュ活」と名付けました。「就活」「婚活」「終活」と同じ「〇活」シリーズのネーミングです。

「セキュリティ対策」という言葉は、中小企業の経営者にとって「難しい」「専門家に任せるもの」「コストがかかる」というイメージを持たれがちです。「セキュ活」という言葉を使うことで、「自分たちでも取り組める継続的な活動」として捉え直してもらうことが狙いです。


②販売店にとっての「セキュ活」の使い方
この言葉は、販売店が顧客に声をかける際のきっかけとして非常に使いやすいツールになります。

 ●    「SCS★3取得に向けて何かされていますか?」より「セキュ活、始めてみませんか?」の方が会話が始まりやすい
 ●    経産省が公式に使っている言葉なので、顧客に「国も推進している活動」として伝えられる
 ● 
   制度の「義務・規制」のイメージより「一緒に取り組む活動」のイメージを与えられる


今後、経産省・IPAの広報活動でもこの言葉が積極的に使われていく見通しです。販売店の日常的な営業トークにもぜひ取り入れてみてください。


 

4.制度の現在地と今後の見通し──経産省サイトで整理された全体像



経産省特設サイトでは、制度の関連リンクと今後の見通しが以下のように整理されています。
 
時期 内容
2026年3月27日 制度構築方針を公表(確定版)
2026年4月21日 IPA SCS評価制度公式サイト公開
2026年4月27日 不適切勧誘への注意喚起を公表
2026年5月15日 経産省 SCS評価制度特設サイト公開・実証事業スケジュール更新
2026年6月頃 お助け隊サービス(新類型)実証事業 参加申込受付開始
2026年8月頃~ 実証事業開始(約1年間)
2026年秋頃 評価ガイド等公表(★3・★4の具体的な実装例)
2026年度末頃 SCS評価制度 運用開始(★3・★4 取得申請受付)
 

注目すべきは「2026年秋頃に評価ガイドが公表される」という点です。このガイドには「★3の26要求事項・81評価基準項目をどのように達成するか」の具体的な実装例が盛り込まれる予定です。これが公表されると、顧客への対応支援の精度が格段に上がります。
秋のガイド公表を見据えて、今から顧客の現状把握・関係構築を進めておくことが先行優位につながります。



 

5.経産省サイトで確認できる支援策の全体像



経産省特設サイトには、中小企業のSCS制度対応を支援するための施策がまとめられています。販売店が顧客に提示できる支援メニューとして覚えておきましょう。
 
支援策 内容 時期
お助け隊サービス(新類型) ★3・★4取得をワンストップで支援する民間サービス(実証事業中) 実証:2026年8月~
登録セキスペ支援者リスト ★3取得の専門家確認に対応できる登録セキスペのリスト(IPA整備) 公開済み
IPAガイドライン改訂版 SCS対応の規程サンプル等を収録(2026年3月27日改訂公開) 公開済み
評価ガイド等 ★3・★4の具体的な実装例をまとめたガイド(IPA作成予定) 2026年秋頃
デジタル化・AI導入補助金 セキュリティ対策推進枠(★3対応IT製品の導入費用を補助) 2026年3月30日~受付

 

この5つの支援策を組み合わせて「ガイドラインで現状確認 → お助け隊サービスで対策実施 → 補助金で費用負担軽減 → 登録セキスペに確認してもらい★3取得」というフローを顧客に提案できると、説得力が高まります。


 

6.顧客への案内で今すぐ使える「3つのポイント」



経産省特設サイトの公開を踏まえ、販売店が顧客に今すぐ案内できるポイントを3つにまとめます。

 ●    「制度の公式情報はここで確認できます」──経産省・IPAの二サイトのURLを案内資料に追記し、一次情報にアクセスできる窓口として伝える
 ●    「セキュ活、始めませんか?」──経産省公式の言葉を使って、セキュリティ対策への取り組みを前向きな活動として提案する
 ●    「今年の秋に評価ガイドが出ます。それまでに現状を把握しておきましょう」──秋のガイド公表を目標に現状確認・課題整理を始める動機づけを行う

 
 
 
石渡電気では、経産省・IPAの最新情報をもとにした情報提供・勉強会を継続実施しています。

顧客への「セキュ活」案内の準備や、お助け隊サービス(新類型)の実証事業への参加検討など、お気軽にご相談ください。


次回(第10回)は、お助け隊サービス(新類型)実証事業の詳細を、サービス事業者・中小企業の両視点から解説します。

本記事は経産省SCS評価制度特設サイト(2026年5月15日公開)の情報をもとに作成しています。

 

石渡電気が一緒に準備します



石渡電気では、販売店様がSCS評価制度に関する顧客対応力を早期に身につけられるよう、制度情報の提供・勉強会・製品提案サポートを継続的に行っていきます。

制度は動き始めています。「顧客から聞かれてから考える」では遅いかもしれません。今この時期に情報を蓄え、提案の準備を整えた販売店が、これからの競争で先行優位を得ることになります。

ご不明な点・ご相談は石渡電気までお気軽にお問い合わせください。


 

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